Q:シルクの商品(例えばシルク腹巻)の高い・安いはどのように決まりますか?価値ある商品の選び方、選ぶコツはありますか?

Q:同じ「シルク腹巻」でも、安いもの(1,000円以下)から高いもの(5,000円以上)まで、価格の幅が広いのですが、違いは何ですか?ネット上の情報などから高い・安いを判断する方法やはないのでしょうか?

A:価格感(使用価値が高いか安いか)につきましては、お客様それぞれの価値観にもよりますので、一概には申し上げられないのですが。。。「原料価値(原価)」の高い・安いを判断するコツ(選び方のコツ)はございます。

私ども絹糸商・製品製造側で、商品の価値(原価)を判断する際には、下記のポイントをチェックしております。

①商品の重さ(重量:目方)
②絹糸の種類(生糸、絹紡糸、絹紬糸など)
③絹糸の混用率%
④生産方式・原産国

それぞれ下記解説いたします。

①商品の重さ(重量:目方)

絹糸は原料として、重さで取引されます(1kg=○○○○円)。従いまして、商品の重量が重ければ重いほどより多くの糸が使用されており、糸原価は高くなっているということができます。
ただし、商品ごとに、②絹糸の種類(生糸と絹紡糸ではそもそものkg単価が異なります)が違ったり、③絹糸の混用率(絹が商品中に10%~20%しか使用されていないものと100%のものでは比較できません)が違ったりすることが多いため、商品重量だけで判断することはできません

同じ糸種、同じ混用率であれば、重さが重いほうが糸原価が高いと言えます。

②絹糸の種類(生糸、絹紡糸、絹紬糸、きびそ、家蚕・野蚕など

絹糸はその製造法や原料段階によって価格が大きく異なります。また相場商品でもあるため、需要が多くなれば高くなっていく傾向がございます。素材表示としては、どの糸も「シルク」の糸で基本的な特長は変わりませんが、kg単価の順で並べますと、

生糸>絹紡糸>絹紬糸 の順になります。

また、同じ糸種の中でも、絹糸の番手(糸の太さ・細さ)や生産地・生産工場によってkg単価が異なります。一般的に紡績系の絹糸は、番手が細いほうが高くなる傾向がございます。絹糸についての分類詳細につきましては、下記リンクもご笑覧いただけますと幸いです。

・絹(シルク)の分類と特長 紡績絹糸へのこだわりについて
・中村忠三郎商店のシルク糸~この商品はどんな糸を使っているの?~

③絹糸の混用率%

商品によって、シルクの混用率(1つの商品中で、どのような繊維がどのくらい使用されているかを表す率)が異なります。組成表示は「家庭用品品質表示法」で表示が義務付けられておりますので、商品に縫い付けの「品質表示タグ」やパッケージ、ネット上の「素材」「組成」「混用率」などの情報でご確認ください。

例えば、、、

・重量が100g、混用率が「シルク85%、ナイロン15%」の商品の場合、シルクは85g使用されています。

・重量が100g、混用率が「 綿75%、シルク20%、弾性糸(ポリウレタン)5%」の商品の場合、シルクは20g使用されています。

①で記載した通り「同じ糸種、同じ糸番手、同じ混用率であれば、重さが重いほうが糸原価が高い」ので、シルク85%の商品のほうが、糸原価は高いということになります。

④生産方式 ・原産国

原料費以外で、原価を左右する要素は加工単価になります。特殊な製造法(希少な編み機、特殊なミシンなど)や手間のかかる方法(手編み、手織りなどの手作業)で作られたものは、加工単価が高くなる傾向があります。

また、平均賃金(人件費)や原料調達費、設備維持費用などの関係から、海外製品に比べ日本国内製造品のほうが、加工単価は高くなります。

以上、いわゆる「業者」的な見地から、シルク商品の「原料価値(原価)」の高い・安いを判断するコツ(選び方のコツ)をお伝えしてみました。わかりやすい方法としては①~③の方法ですので、お手元の商品について知りたい場合には、

重さを測って(社内では便宜上、キッチンスケールを使用しています)
絹糸の種類を確認して
混用率を確認して①の重量を掛け算してみる

という方法がよろしいかと思われます。
若干、絹糸屋(原料商)のほうに偏っていますが、、、ご参考まで。

文責:中忠商店内・繊維製品品質管理士(TES)

ECサイト:京都西陣・中村忠三郎商店
運営会社:株式会社 中忠商店