麻について

麻糸の種類と分類

原料原種による大別

・苧麻(ちょま:ラミー:Ramie)

繊維は長くて太い(繊維長:70-280mm、太さ25-75μm)
現在の主産地:南方系
多年草

・亜麻(あま:リネン:Linen)

繊維は短くて細い(繊維長:25-30mm、太さ15-17μm)
主産地:北方系
一年草

麻(ラミー、リネン)の一般的な特長

・植物の茎(靭皮部)から採取する植物組織を原料とする植物性の天然繊維。
・主成分はセルロース。植物性繊維のためエコロジー。
・公定水分率は絹と同じ12.0%(参考:羊毛15.0%、綿8.0%)。吸水性は綿の4倍
・熱伝導が早く、すぐに発散する。水分の吸湿放湿も早く涼しい。
・通気性に富み、細菌の発生を防ぎ衛生的。速乾性がある。
・天然繊維の中で繊維強度が最も強靭(羊毛の4倍、綿の2倍)。水を含むと繊維の強度がさらに60%増す。
・天然繊維の中で最も涼しい繊維といわれ、涼感のあるクール素材。温度や湿度の高い季節や地域に適している。
・特有のシャリ感と通気性で着心地が爽やか。
・混紡性に優れる。他繊維との混紡、交撚などを行っても特性を失わず、相手繊維と相まって独自の新たな風合いを持つ。

中忠商店のこだわる苧麻(ラミー)の特長

中忠商店では、麻糸の中でも苧麻(ちょま:ラミー)の取扱いに特にこだわっております。

「東洋の麻」と言われる苧麻は、その繊維構造がマカロニのような中空孔構造をしており、吸湿放湿性、保水性に優れています。
高温多湿の日本の風土に最適な繊維素材として、当社では創業以来、絹糸と合わせて苧麻を取り扱っております。

亜麻(あま:リネン)に比べて色が白く、糸にハリとコシ、独特のシャリ感のある苧麻は、近江上布や能登上布、小千谷縮など全国各地の高級伝統麻織物に使用されてまいりました。
苧麻特有の弱点である繊維表面の毛羽立ちや摩擦での白化、糸の伸度不足、しわになりやすい性質、染色性の不足などを大江工場での「こんにゃく糊付け加工」により改善。
現在でも全国各地の機屋さん、織匠さんに蒟蒻麻糸を継続してご使用いただいております。

こんにゃく糊付け加工により取扱いのしやすくなった「蒟蒻麻糸」は、 近年ではその特殊性から国内・海外のテキスタイルメーカーやトップアパレル、ニッター、若手の染織作家の方にもご使用いただいております。
インテリアテキスタイル・カジュアルニットやシャツなどにも使用され、日本の春夏に最適な普段使いの繊維として重宝されております。

麻糸のこんにゃく糊付け加工(蒟蒻麻糸)

福知山市大江の自社工場では、麻糸(ラミー、リネン)のこんにゃく糊付け加工を行っております。
→こんにゃく糊付け加工って何?

大江工場については加工風景をまとめたページも合わせてご覧ください。
(→人の目、人の手によるスローテクノロジー工場

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