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シルク製品のOEM生産(オリジナル生産)業者を賢く選ぶ14のチェックポイント

シルク製品のOEM生産(オリジナル生産)業者を賢く選ぶ14のチェックポイントをご紹介いたします。それぞれのチェックポイント項目をクリックしてください。
基本的なチェックポイントを押さえた上で、ミスマッチのないスムーズな商品づくりを進めましょう!

Point1:絹(シルク)についての取り扱い実績があるかどうか?
第一には、言うまでもなくシルク(絹)に関する取り扱い実績があることが必須条件です!
シルクは天然繊維のなかでも取り扱いが難しく、他の繊維と同じ感覚で取り扱うと必ず失敗します。
複数あるシルクそれぞれの特性に精通していなければ、業者としてはスタートラインにも立てません。

シルクに関する基本的な知識と実績がなければ、最適な素材選びや原材料手配、生産方法や生産ルートの提案ができないだけでなく、ご希望内容とのミスマッチにより、無駄な費用と労力を費やすことになってしまいます。

まずこの点は確実に押さえておきましょう!
Point2:原材料(絹糸や生地)の在庫がある、もしくは取り扱いがあるかどうか?
製品だけでなく、原材料を手掛けたことがなければ、シルク(絹)の特性は理解できません。

生糸(フィラメントシルク)と紡績絹糸の根本的な違い、紡績絹糸特有の「つなぎ節」や「原材料由来の節」の問題、シルクニットの編み組織別の生地特性や染色条件、シルク織物の取り扱いの注意点など、それぞれの特性は取り扱ったことがなければ知識として蓄積できません。

またシルクは「養蚕業」という農産業で生産される農産物であり、国内海外問わず価格の変動性(相場制のため)が高く、長期的に取り組みのある業者でなければ安定的な供給手配が難しい素材です。

できる限り、原材料に手の届く業者を選びましょう!
Point3:複数の種類の絹糸(糸種)の取り扱い実績があるかどうか?
ひとくくりに「シルク(絹)」といっても、産地や糸種、加工方法などにより特長や特性は千差万別です。

それぞれの特性や機械との相性、生産したい製品との適合不適合などの知識が少ないと、なめらかな肌触りが求められる製品に価格重視で絹紬糸を使用したり、ふんわり柔らかな肌触りが訴求ポイントの製品に、とにかくいいもの(高価格なもの)をという理由で生糸を使用したりするミスマッチを起こしてしまいます。

無駄な費用や労力をかけることなく、最適なルートでの生産設計をするためにも、最低でも、生糸・絹紡糸・絹紬糸の知識のある業者を選びましょう!
Point4:担当者に製品の生産方法についての基礎知識があるかどうか?
一例ですが、同じ「靴下」でも、五本指靴下とリブソックスは編み機が異なることをご存知ですか?
逆に編み上げタイプの手袋と五本指靴下は同じ種類の機械で編むことができます。
同じ「手袋」でも、カットソー(縫製)タイプの製品は専門工場でないとできないくらい特殊性が高い生産方法です。

担当者にそういった基本的な生産方法や生産する機械についての知識がなければ、 同一ルートで効率的に生産できるものを、わざわざ2か所の工場に割り振って割高にしてしまうようなケースや、成型編み機で脇部縫製のない製品を作りたいのに、丸編み生地をカットソーで生産してイメージと違うサンプルを作成してしまうケースなどの「ミスマッチ」が多発してしまいます。

また、最低限の知識がなければ、工場との交渉や生産管理はできません。
一般的な知識があれば、工場ごとの個別事情はあるにせよ、同じ知識レベルの中で相互理解が可能です。

Point6でも記述しますが、工場(生産現場)との長い取り組み関係を築くためにも、基本の知識は必須です。

この点は、ご自身で直接工場へ依頼される際にも押さえておくべきポイントになります。
Point5:絹の欠点や生産条件についてわかりやすく論理的に説明できるか?
シルク(絹)の取り扱い実績がない業者に多い傾向として、「シルクだから・・・」という漠然とした理由で欠点を正当化したり、生産条件を限定して説明したりすることがあります。

例えば・・・

・原材料が高いのはシルクだから・・・
(確かに一般に高い原材料ですが、手配ルートや糸種によってはリーズナブルな対応も可能なはずです)

・B品率が高いのはシルクだから・・・
(本当の理由は、紡績絹糸特有の節による不可避な不良についての説明とその許容範囲を事前に取り決めていないからです)

・染色堅牢度が悪いのはシルクだから・・・
(その製品にどの程度の堅牢度が必要かのヒアリング不足と適正染料・染色方法の選択ミスが原因です)

・その生産方法が選択できないのはシルクだから・・・
(「その(太さ/細さ)のその糸種を使用すると、その機械は正常に動かないから、別の糸使いや生産方法を検討しましょう!」が正解です)

シルクだからと言われて、「そうですか・・・」と答えてはいけません。
ご自身が理解できるまで、質問を繰り返してください。それらにきちんと答えていくことも業者の仕事です。
Point6:スポット的な付き合いではなく、長い信頼関係が築けるかどうか?
長期的な製品展開・販売戦略をお考えの方は、この項目も重要なポイントです。

Point2の通り、シルク(絹)という素材に関しては長期的な取り組みを築いていかなければ、国内生産・海外生産とも品質やリピート生産など安定した体制が作れません。
スポット的なお付き合いでは、初回の取引はうまくいっても、リピート生産時に同じ原材料の手配ができない、価格が極端に跳ね上がって販売価格の調整ではカバーできないなどの問題が出てきます。

OEM業者との間で長期的な取り組み関係を築くことができれば、生産計画や長期的な展望(販売戦略やアイテム展開)などを共有し、方向性を調整しながら進めることができます。

例えば、長期的な販売計画の中で販促的にスポットアイテムを作りたい場合には、再生産はできないけれども、すでに生産中止になった希少在庫糸や在庫生地を使って、特別売り切りアイテムを生産する方法を提案することができますし、細く長くリピート販売を目指していく製品開発であれば、比較的価格変動の少ない原材料を使用して長期的に価格を安定させる方法を提案することもできます。

また、残念ながら後継者不足などにより工場(生産現場)が廃業した場合にも、複数の工場との協力関係があるような業者であれば、情勢に配慮しながらの工場の選択や、同種工場への生産振替なども柔軟に対応が可能です。(Point12)
Point7:安易に安い見積もりを出していないか?見積もり期限をきちんと切っているか?
見積もりは安いに越したことはありませんが、その理由をきちんと聞いてください。

価格変動リスクの大きい素材であるシルク(絹)は、残念ながら最終サンプルが確定するまで、製品見積もりが出しにくい素材です。 とりわけ、企画段階や初回サンプルの段階などでは、業者の体質にもよりますが、参考程度の見積もりしか提示できないはずです。

原材料の多くを輸入に頼るシルクは、仕入れ時の為替や原料相場の変動などで1カ月以上先の価格は保証できません。

保証できない部分に関しては、良識のある業者であれば約束を守って、損してでも見積もり価格を厳守しますが、その生産分限りで終了という対応にならざるを得ません。

そうでない業者の場合は、いざ原材料手配の段階になって、申し訳ないのですが・・・と見積もりの変更をお願いすることになります。

それよりもレベルの低い業者に至っては、生産してから実は価格が上がりましたので値上げしてください・・・という対応をするところもあり注意が必要です。

業者からの見積もりが出た場合には、その背景や有効期限についてきちんと確認しましょう!
Point8:複数の製品の生産実績があるかどうか?
はっきり言ってしまえば、このポイントこそがOEM業者に依頼する最大のメリットです!
逆に、基本的な知識(Point4)の問題を別にして、単一の生産方法しか必要ないのであれば、その製品を生産できる工場(生産現場)に直接依頼する形で、業者に頼らない製品生産が可能です。

ただし、靴下工場に腹巻は生産できません。肌着(インナー)の縫製工場にアウター(カーディガンなど)の縫製を依頼しても、ご希望のクオリティーには上がりません。
その理由を知っているのが業者の本当の知識・価値であり、別商品を展開したいときにスムーズに対応できることこそが業者の存在意義です。

「○○生産専門」の業者に依頼するぐらいなら、ご自身で専門工場に依頼されたほうがダイレクトでスムーズです。
Point9:サンプル品などをみて原材料や生産方法などを的確に説明できるか?
きちんとしたOEM業者であれば、イメージサンプル品などを見れば、原材料から生産方法、おおよその生産ロットや生産コスト、市場での価格設定に至るまで、論理的に分解して的確に説明ができます。

よほど特殊で革新的な技術で生産されていない限り、どんな新製品であっても、「既存の選択肢の組み合わせによって新しい価値を市場に提供している=新製品」であるはずです。
既存の選択肢の組み合わせは、一定の知識と実績があれば、分解してわかりやすく説明することが可能です。

業者チェックの方法としては、サンプル品の原材料の背景や生産方法、そのほか特殊加工の有無などを詳しく聞いてみてください。
Point10:本番生産を見据えた生産ルートでサンプル作成を進める提案をしているか?
そもそもサンプルは何のために作るのでしょうか? サンプル品を作るためだけにサンプルを作成するわけではありませんよね?

原材料の品質チェックや縫製レベル(編立レベル)のチェック、実際の使用感などを事前にチェックして、ご希望の最終商品イメージに適合しているかどうかを判断するためにサンプルは作成されるものです。

では、サンプル品を生産した工場(生産現場)と実際に生産する工場が異なる場合、そのサンプルに意味はありますか?

サンプル品がどれだけきれいに仕上がっていても、お客様の手元に届く最終商品のクオリティーが低ければ、何の意味もありません。

そのような当たり前の理由から、本番生産をする生産ルートでサンプル品をつくることが業者提案の必須条件になります。

本番生産とは別ルート(その時に空いている工場など)を使用して、サンプル作成だけは早いような業者には注意が必要です。 本番生産で必ず痛い目を見ます。

製品づくりは「急がば回れ」です!
Point11:工場(生産現場)との長期にわたる取り組み関係があるかどうか?
工場(生産現場)との長い取り組み関係があると、新製品開発やロットに満たない数量での差し込み生産、 思わぬ欠品時の急ぎのリピート生産対応など、多少の無理な依頼にも対応してもらえます。

会社同士でのお取り引きとはいえ、やはり最後は人と人との関係性が働きます。はじめましてのお客様と、気心のしれた担当者とでは、対応に差が出るのも致し方ないことかと思います。

ご発注元は、こうしたOEM業者と工場とが築いてきたしっかりとした土台をうまく利用して、製品づくりをスムーズに進めてください。
Point12:複数の同種工場との取引やつながりがあるかどうか?
工場(生産現場)は、それぞれ生産している製品や取引企業の生産計画などの関係で、年間スケジュールや製品についての得意・不得意があります。

Point8でもチェックしたように、肌着の縫製工場にジャケットなどの重衣料は縫えません。タオルやハンカチの縫製工場に肌着は縫えません。 「縫製工場」と取引があるだけでは不十分なのです。

また、残念ながら、後継者不足などにより工場自体が廃業することもあります。アクシデントで一定期間、操業ができなくなる場合もあります。

そんな時に、一から新たに工場を探すのでは価格や納期、品質など、また一からやり直しになります。

複数の同種工場と取引があると聞くと、あっちこっちに生産を振り分けているように聞こえるかもしれませんが、きちんとした業者であれば、製品ごとに最適な工場に生産してもらい、万一の際のリスクヘッジや、製品トレンドや技術トレンドなどの情報収集の一環として、同種工場とのつながりを広げているのが通常です。

一つの製品分野につき、工場一社としか取引がない業者の場合には、上記のようなリスクがあります。注意してください!
Point13:在庫引き取り方法の交渉や販売方法の相談などに対応してくれるか?
OEM生産の場合、生産した製品については、ご発注元の全数引き取りが原則です。
それはご発注元の製品に関する権利を守るためでもあります。

ただし、ご事情によっては生産ロットに満たない数量での発注の際に不足分を追加してOEM業者が在庫するケースや、スペースや決済できるコスト上限などの問題で一括全量引き取りが難しい場合などは、引き取り期間を決めての在庫保管・分納対応をするなど、 ご発注元の状況に応じて、柔軟に対応する必要があります。

それも業者の仕事のひとつです。単に作って売るだけなら、工場(生産現場)との直接取引と変わりません。

販売方法に関しても、卸販売を見据えた展開なのか、 自社ショップ直販のみでの展開なのかによって、価格の付け方や流通方法が異なります。

幅広い取引実績があるということは、それだけ多くの成功例・失敗例をみてきているということで、それを活用しない手はありません。

単にものが作れるかどうかではなく、このような点も含めて「きちんとした取り組みができるかどうか」を基準に、賢く業者を選んでください!
Point14:問い合わせの段階できちんと要望のヒアリングをしてくれるかどうか?
最後はこのポイントに尽きると思います。一事が万事です。

結局、OEM生産がうまくいくかどうかは、ご発注元とOEM業者が、きちんとしたコミュニケーションを形成できるかどうかにかかっています。

業者は、最初のお問い合わせの段階で、最低限聞いておかなければならない項目があります。これらの情報を聞いてこない業者は話になりません。

また、業者の側からしても、これらの情報をきちんと把握しておかないと、どういうプランニングや提案をしてよいかわからず、全く仕事になりません。

・展開スケジュールと最終納期(展示会などがある場合はそのスケジュールも)
・最終生産予定数量
・使用したい原材料
・生産国
・作りたい製品のこだわりポイントなど
・最終的な展開イメージ etc...

少なくとも、展開スケジュールや展開イメージを聞いてこない業者は、ご発注元の依頼してきた製品には興味がないと言っているのと同じです。 スケジュールには責任を持ちませんと言っているのと同じです。

最初にかけ違ったボタンは、最後には大きな食い違いとなってトラブルのもとになります。

きちんとした業者は、できるだけそういった行き違いが無いよう、最初の段階で聞くべきことをきっちりと聞いてきます。 聞いてこない業者は、前述のようにご発注元の依頼に興味がないか、対応レベルが未熟かのどちらかです。

以上のようなチェックポイントを参考に、ご希望にフィットした別注業者をきちんと選び、長期的に安定したシルク製品の生産ルートを確保しましょう!
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